そろそろヒラメの時期だよなぁ……と思い始めてからなかなか行けていない。

ヒラメのためにロッドまで新調したのに……。

なんて考えていたら、仕事の都合上月曜日が休みになった。

平日休みって事は行くしかない!!

前日は、仕事から帰宅後すぐに準備して道具を車に積み込み、子供達と早めに寝る。

寝る。

寝る。

寝る。

寝れない。

結局21時から翌1時30分まで眠れず、そのまま出発することになった。

お陰で寝坊することも無く、車の少ない真夜中の道を軽快に走り抜け、車でいっぱいの古平川河口を素通りし古平漁港へ。

今回古平漁港を選んだのは、有力な情報があったからではなく、去年同じ時期に古平漁港でヒラメを2枚あげたから。

↓去年の釣行↓


ただそれだけ。

なんとなく去年の足跡を辿って釣りをしてみたいという気持ちのみ!!

古平漁港に到着したのは3時頃。

平日ということもあり、漁港にはほとんど人はおらず、貸し切り状態。

ゆっくりとポイントに向かい、ダラダラと準備しながら時合を待った。

しかし最近になって随分秋らしくなってきたもんだ。

夜明け頃に物凄く冷え込む。

旬のサケ釣りやヒラメ釣りなど、早朝に狙いを定めた釣行に冬装備は必須だ。

そんな寒さを2時間程耐え、空が白み始めたのを見はからって開始!!

メタルジグ・ジグヘッドワーム等をとっかえひっかえしながら探るもバイトすらない。

魚の釣れる時期が色々とズレ込んでいる中、ヒラメも例外ではなく、まだ岸寄りしていないんだろうか。

魚の行方は分からないが、10時までルアーを飛ばしまくっても今回は何も起こらなかった。


そう言えば、前回のヒラメ釣行の時にも試験運用してみていた、アシストフック付きテキサスリグ、まだヒラメを掛けていないので、なんとも言えないが、動きに関してはかなり良好!!

DSC_0282

DSC_0283

ヒラメが釣れる環境ならば絶対通用すると確信。

中心よりも後方にセットしたアシストのトレブルフックがテールの動きを阻害してしまうのではないかと危惧していたが、まったくそんなことなく、しっかりと動いてアピールしてくれた。

現地で組み上げるのは少々手間が掛かるので、パーツを作って置き、現地で結束するだけにしておけばイイ。

ジグヘッドよりも飛行姿勢が安定するためよく飛び、感度もかなり高く、ジグヘッドよりもキレのあるリフトアンドフォールが可能だ。

サーフで使用する場合、真っ直ぐ竿先に向かって泳ぐので、駆け上がりの処理能力なんかにも長けるんじゃないだろうか。

そんなこんなで釣れないながらも色々試すことができ、まぁ有意義に過ごすことができた。


そして翔は古平漁港をあとにし、潔く帰路に………

……なんてカッコイイことできる訳がない。

途中、小樽 南防波堤に立ち寄り、しっかりとボウズ回避釣行。

安定のサバ狙いだ。

疲労に対して麻痺しているのであまり感じないが、疲れていると思われる身体にムチを打って先端に向かう。

ちょうど回遊魚の周りがイイ先端が空いていたので、そこに荷物を降ろしてライトジギング開始!!

タックルはヒラメ釣行時のままで、シマノ ディアルーナ S106MHと、シマノ レアニウム 4000XG。

メタルジグがよく飛ぶ!!

気持ちがイイ!!

フィヤァッ!!

シュァーーーーーーーーーーー!!

スン…。

遥か遠くへ飛んでいったメタルジグは音もなく着水。

糸フケを取って着底したら、低層から中層を行き来させながらサバのアタリを待つ。

ただ巻…

ジャーク…

トゥイッチ…

フォール…

思うままにアクションを入力。

すると…

クッ……

クゥッ!!

ギュン!!

しっかりとアワセを入れて巻く!!

グゥッ!!

グゥーッ…ンッンッンッンッ!!

ググンッ!!

なんとも言えないトルク感のある引きがとても楽しい。

あと、アワセについてだけど、遠くで掛かった時ほど強めに入れる。

100m以上飛んでいる場合は潮流を受けてラインが想像以上にカーブを描いている。

そこに中途半端なアワセを入れても、そのラインのカーブに力が減衰されて、フックに力が掛かりきらない。

これはサバに対するジギングの話だけではない。

相手がサバであろうが、ヒラメだろうが、ブリであろうが、距離に応じたアワセが必要だ。

ロッドに加えた力はテイップに吸収され、ラインのカーブや伸びに吸収され、やっと針に届いて魚の口に食い込み、バットに力が加わって針が貫通する。

まぁ簡単に書いたけどこれがまた難しく、腕の見せ所なんじゃないだろうか。

色々な条件に合わせ、アタリに対し瞬時に判断・加減することは理屈で分かっていてもなかなかできない。

だからこそフッキングに手応えを感じ、ガッチリと針が掛かった瞬間に沸き立つ興奮が楽しさを一層湧き立てるのかも知れない。

ま......今回は30cmに満たないサバが相手なんだけど、それでもやはり楽しいもんだ。


そんなことを考えてサバの引きを楽しんでいると、AR-CとSTELLAを携え、高貴な雰囲気を持った方が近くでロッドを振り始めた。

その美しいシルエットはアングラーとして憧れるような姿であり、見入ってしまうほどであった。

漂うオーラは輝いていていながらも嫌みがなく、とても受動的。

そしてメタルジグを交換する際、そっと近くに落ちているゴミを拾い、自分のタックルボックスへと放り込んだ。

誰が捨てたか分からないゴミを何ひとつ嫌な顔せず流れるような動作で片付ける姿に感動を覚えた。

翔は、釣ったサバが一晩のおかずに丁度イイくらいの数になった時点でロッドをしまい、帰りがけにその方に声を掛けた。

何でもないありきたりな話題を持ち掛けたにも関わらず、気さくに受け、そして話題が倍以上になって帰ってくる。

まさに紳士。

話し込むこと1時間。

その人について分かったことは70歳を超えていること、これから沖縄へ移住すること、ルアーフィッシングを始めて6年目であること。

たったそれだけしか知らない人に、これだけ心を惹きつけられ感動した。

姿がいいからではない、動作が洗練されているからではない、ゴミを拾ったからではない、うまく言葉にできないが、釣り人としての憧れた姿が目の前にある。

こんな釣り人になりたいと強く思った。

そして、ふと足元に目をやると、グルグルに丸められ捨てられたライン。

翔は話をしながらそっと拾い、タックルボックスへ放り込んだ。

するとその方は、そんな翔の姿を見てか、無言でニッコリと笑みを浮かべてくれた。

その後、今後の健闘をお互いに誓い合い、翔は南防波堤を後にした。

本日の成果はこのキラキラのサバ。

DSC_0360



そして、この出会いと感動が詰まったこのゴミだ。

DSC_0367

ただのゴミだが、翔にとって宝物となり、翔の釣り道具置き場に飾ってある。



■釣果■
・サバ×12