前回の釣行で青物の図太く力強い引きに魅了された翔は、腕にその感覚が残っているうちに………と、また南防波堤へ繰り出した。
 
今回もまたロックフィッシュも兼ねてだが、秋に入って全く反応を示さなくなった根魚たちと根性比べすることで削られる体力を少しでも抑えるため、夜遅くに家を出ることにした。

小樽南防波堤に着いたのは0時頃。

駐車場には翔のクルマ1台のみ。

こんなのは真冬のロックフィッシュ釣行の時以来だ。  

しーーーーんと静まり返った静かな防波堤の先端で、ひとり寂しくワームをキャストし続けるも、やはり反応が薄い。

20cm程のマゾイがポツ…………ポツ………と掛かるも、なかなか手応えのある魚には巡り会えず。

ダメージ判定によって敢えなくキープとなった魚数匹とともに静かな夜を過ごした。

そして、まだ夜明け前の4時頃、ツイッターを覗いていたら、ブログでも何度か登場しているみや-TEXさんが近くの港で投光器を使って釣りをしていることが分かり、コメントを送ってみることに。

翔が南防波堤にいる事を告げつつも、ちょいちょいやり取りをしていて、次返信が返って来たら、もうすぐ明るくなる頃だし、本日のメイン釣行であるフクラギ釣りに誘ってみようかな………と思っていた。

思っていたら………。


トコ……トコ……

トコ……トコ……

トコ……トコ…

トコ……トコ……

トコ……トコ……

トコ……トコ……

来た。

もはやメッセージなど不要なのか。

みや-TEXさんの勘が強いのか、翔の念が強いのか、まぁどちらでもイイとして、2人合流してフクラギを狙う事にした。

まだ薄暗いうちから、準備運動がてらメタルジグを外海に向けて飛ばしていると、コツコツ………というアタリと共にイイい引きと重み。

サバが釣れ始めた。

その後、みや-TEXさんにもサバがヒット。

みや-TEXさんによると他の場所で釣れるものよりも大きめとの事。

いやしかしサバもイイ引きをするもんだ。

今回はフクラギをメインターゲットとしてあるためMHのロッドでの釣っているが、ライトなML以下のロッドならかなり手応えを感じる。

去年も同じ頃に北防波堤にライトタックル持ち込んでサバ釣ってたっけ………。

懐かしい。


そうこうしているうちに空は真っ赤に染まり、朝を迎える。

海鳥たちは続々と沖防波堤上に出勤し始める。

頼むぞ……今日も魚の居場所を教えてくれ……。

そう願うもなかなか海鳥たちは動かず、何やら朝からウトウトまったりモードだ。

確かに今日は土曜日。

休日出勤なんて、そりゃ人間も海鳥もダルいってもんだ………。

そしてそのうちサバのアタリすらなくなる。

うーん………。

サバも含むフクラギなどの回遊魚は、居るか居ないかどちらか一択!!

ならば……

・ひたすら回遊を待つ

・場所を変える

・諦める


んーーーーーー。


翔が選択したのはどれでもなく、防波堤……それも先端ならではの選択。

・内海を狙う

回遊魚は潮通しのいい場所を好むので、南防波堤で言えば先端は1等地。

sketch-1570239091385

この線は南防波堤付近に起こる潮の流れができやすい場所なんだけど、特にこのオレンジ色の場所は常に強い流れが生じている場所。

釣れないロックフィッシュを相手にしながら
も先端に居座って朝を迎えたのはそのためだ。

翔は、先端から内海に向かい、右斜めの方向にフルキャストを続けた。

やはり読みどおり。

サバが居る。

サバが居るということは、サバの餌となる小魚が居るわけで、そこに集まるサバを含めた魚を食べようとするフクラギも集まってきやすいということで………。

投げる………

投げる………

サバが掛かる。

今回サバが掛かる共通の条件はどうやら底。

ボトムまでメタルジグをしっかり落とし、そこからジャークでレンジが少し上がるところで喰ってくる。

低層に魚が溜まっているってことは活性が低めなのだろうか。

高活性であっただろう前回は、ナブラも30分置きくらいのペースで発生してたし、サバも中〜表層で釣れた。

それに比べると今日は随分と静かなもんだ。

低活性ならアピールし過ぎも逆効果かと、あまりギラギラしないくすんだカラーのメタルジグに交換し、アクションも程々に巻きを中心としたイレギュラーアクションに切り替えた。

すると…………

コッ………

コッ………クッ…………

クゥ……………ググゥ!!!

!!!

アワセ!!!

グゥッ!!!

ジジジジジジッ!!!

乗った!!

プスン………。

ええええええええええー。

まっぢ……∀卍∂〒‰♮

…………。

針掛かりが甘かった。

掛かったのに浅かった。

その証拠にメタルジグのフロントフックに白く分厚い皮がくっついて返ってきた。

悔しい。

誠に悔しい。

これから盛り上がるっていうところで逃してしまうとは………。

落ち着け落ち着け……。

まだチャンスはある。

翔は冷静さを心からなんとか引きずり出し、また投げては巻いてを繰り返した。

ボトムまで落としたらリフトさせて巻いて巻いて巻いて巻いてトゥイッチトゥイッチ……

巻いて巻いて……………

コッ……コココッ!!

クッ……グゥッ!!!

アワセッ!!!

グゥーー一イッ!!!

乗ったっ!!!!

ジジジ…スコッ!!!

………………。


ええええええええええ………。

ええええええ……………。

また掛かりが浅かったか………。

ここでなんとなくだけど自分の中で原因が見え隠れ。

翔………待ち過ぎたのかも知れない。

最近ずっとロックフィッシュを狙ってきた。

活性の低い時こそ、アタリが出てから口の奥まで運ばせるためにあえてテンションを抜いて違和感を与えないよう1拍置いてからフッキングに移行してた。

それはワーム自体が違和感の出ないものだから。

しかしコレはメタルジグ。

これ自体がオモリであり、本体でもある。

言ってしまえば金属の塊で、咥えればあきらかに違和感だらけ。

ということは、翔が向こうあわせ気味で針が食い込むのを待っていた間に魚は吐き出そうとしていたってことか………。

前回は明らかに活性が高かったから、メタルジグの違和感を感じる前に飲み込もうと口の奥まで運んだだけ!!

絶対そうだ!!!!

きっともう少し早めにアワセていいんだ!!

こっちがメタルジグに違和感を感じた時点でアワセていいんだ!!!

次こそ魚が『あっ!!』って思う前にアワセをガツンと入れてやる!!

…………。

そしてその次こそはなかった。

規模が小さく薄いナブラが内海側2ヶ所に生じたが、釣果にはならず。

自分が立てた仮説を検証するチャンスは来なかった。

……………。


日も段々と高く登り、暑くて汗ばんで来た頃ふと、みや-TEXさんの方に目をやると、みや-TEXさんは目をキラキラさせながら足元にメタルジグを垂らしてシャカシャカ…………

そして満面の笑みを浮かべて何かを持って来た。

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※画像提供  みや-TEX様


う……………ウマヅラハギ!!!

北海道にも姿を現していると聞いていたが、こんな身近に入るとは…………。

キモ可愛いなんとも言えない姿。

陸にあげられたウマヅラハギは、キュッキュッと鳴いている………。

…………………。

なんとも見慣れない。

そして流石器用なもので、その後もまたウマヅラハギを釣り上げていた。

そんなこんなで気付けば昼前。

みや-TEXさんは南防波堤を後にし、翔はその後1時間くらいキャスト練習。

いざという時に少しでも遠くへ飛ばせるようにと、ロッドを振り続けた。

今回フクラギは釣れなかったものの、サバのいい引きを楽しめたので良しとする。

最大で27cm、最小でも23cmくらいだった。

DSC_0326

秋に入ってからというもの、釣れる魚の種類が増えて楽しい楽しい。

次はロックフィッシュを狙うか…………ヒラメか…………鮭か……………サバか……………フクラギか…………。

次の釣行計画を錬るのもまた楽しい。

そしてまた今度、メタルジグのアワセの極意を必ず導き出してやるっ!!!

■釣果■
サバ×9
マゾイ×2
ガヤ×1